オーストリアサッカーの魅力に迫る!ステップアップの国オーストリアで戦う日本人のリアル

日本人サッカー選手の活躍が世界的にも目立っています
その中でも最近は、スペインの久保選手(レアルソシエダ)とイングランドの遠藤選手(リヴァプール)、三苫選手(ブライトン)やフランスの伊東選手(スタット・ランス)が話題性のあるプレーヤーですね

スペイン、イングランド、ドイツを含めたヨーロッパ5大リーグで活躍するサッカー選手が増えていく中で、ベルギー、オランダ、オーストリアなどのいわゆる「若者の登竜門」「ステップアップの国」と言われているリーグにも注目が集まっています
最近では中村敬斗選手がオーストリア1部のラスクリンツから伊藤選手と同じチームに移籍したのも有名です

そんなステップアップの国の一つ、オーストリアの4部リーグでプレーをしているのが僕です

チームメイトになぜオーストリアにサッカーをしに来たの?と聞かれプロサッカー選手になるために来たよ。
と答えると、オーストリアの人々は口を揃えて「なぜ、オーストリア?」と聞いてきます。笑
もしかしたら、現地の人はそこまでステップアップの国だなんて思ってないかもしれませんね

しかし、これは個人の意見ですが現地の人が思っている以上にオーストリアアマチュアリーグの環境は良いです


4部リーグのスタジアム

海外で生活する上では、ビザ、言語、選手とチーム間での契約の話、お金、文化の違いなどが大きく関わってきます

今回は ~文化の違い編~

サッカー選手である僕は、サッカーを通して何が日本とオーストリアで違うのかなと考えた結果、テーマが決まりました

【VEREIN制度と部活動】

VEREIN(フェアライン)はドイツ語で協会,団体,クラブです。SPORTVEREIN(スポーツフェアライン)はスポーツ協会です

少し僕の話をすると中学高校とずっと部活動で、中体連や高体連の大会、リーグ戦でどれだけ活躍できるか?というサッカー人生を青年期は過ごしました
その部活動が廃止になるかもしれないという話は有名ですよね(寂しい)

中学校を中心に部活動などが民間事業者や地域のスポーツクラブに徐々に移行する動きが全国的にあるみたいで、問題としては、少子化や先生方の長時間労働が主な原因とのこと

先生、仲間、家族からたくさんのものを吸収して時に傷つき、そしてまた成長できる一番大事な時期は僕自身今でも貴重な経験として記憶にあります
仲間、先生、コーチなど部活動からは多くのことが学べるのは、部活動を本気でやっていた体育会系学生であれば分かりみが深すぎて思い出したくない過去を持つ方もいるかもしれません笑

辛い経験の方が多めでしたが、それでも僕はその時期に先生から頂いた多くの言葉を、今でも胸に刻み生きています

しかし!

部活動に入ったはいいものの、人数が足りなくて部員の数が少なくて試合や活動が行えない生徒がいるのが現在問題に上がっています
魅力的で伝統もありレベルが上がる高校サッカーならまだしも、中学校生活で、普通の公立中学でサッカーの試合ができる仲間が足りないなら活動すらできない問題があるのです
一番身体能力、スキルや考え方が伸びる時期になるべくそんな経験はしたくないものです

やはり、部活動というものは現代社会において生徒にも先生にも負担の大きいものなのかもしれません

ここオーストリアでは、この考え方が全く別物です
先日、これぞ、文化の違い!と肌で感じた事があったのでここで語らせてください

僕は、サッカーをお仕事にしていますが、所属チームのアンダー8のトレーナーとしても働いています
選手はまだ7歳なので、日本で言う小学一年生くらいの選手にサッカーを教えています

(日本とオーストリアの学校制度にも大きな違いがありますが長くなるのでここでは割愛)

学校終わりにサッカーチームの練習にくる彼らはみんな選手の登録をチームとしています

契約ですね

ウィーンには他にもたくさんのクラブチームがあるので、選手がそれぞれのチームと契約を交わします
家から近い、能力がある、仲間と仲がいいなど...

まあ理由はなんでもよくて彼らはサッカーが出来たらそれで良くて、上手い選手はいいチームに引き抜かれていくし、チームの練習についていけない選手は夏と冬の移籍期間で監督と相談し別のチームに移籍していきます

あと、いくつか良い制度だと思う理由の一つに、VEREIN制度にはもちろんですが、トップチームという存在があります

ある程度サッカーに興味があり練習に取り組む選手が目指す場所はそのチームのトップチームです
僕がプレーする段階がまさにこのトップチームなので、教えている選手たちが試合に足を運んでくれて、試合終わりにはサインも求めてきます

これは、子供たちは僕らを目標に練習に取り組むし僕らもそのチームのトップという誇りをより感じながらサッカーができるのでお互いにとってとてつもなく良い制度です(当たり前)

クラブチームはこんな感じなのか、めちゃくちゃいいなと素直に感じます

日本で部活動としてサッカー選手での活動を続けると中学、高校、大学、社会人リーグと強制的に環境が代わります
そして、高校卒業と大学卒業という節目にサッカーをやめるか続けるか?という選択肢に半強制的に迫られます

VEREIN制度では選手のタイミングでサッカーを続けられるし辞められるので、サッカーを22歳で引退するという考えはまずなくなりますね

サッカーが文化になる理由がこのVEREIN制度に隠されています、多分、いや絶対

話をアンダー世代に戻します

僕の見ているチームには、練習のレベルについていけない選手がどうしても出てきます
コーチ目線からしたらなんとかこの子を上達させようと頑張るじゃないですか
サッカーが楽しくないとか、あまり上手くないとか理由なんて関係なしに、練習に来た選手にはきっちり最後まで集中して取り組んでもらうのがコーチの仕事です

ですが、海外ではそんな事もない時が多々あります

1人の監督僕に、チーム練習についていけない選手についての話があり「この選手はこの冬で他のチームに行ってもらうようにしたほうがいいよね」なんて言い出しました
チームレベルにあった場所でやるのが得策だし、そういうチームを知っているとのこと
こういう時、なんて言ったら良いんだろう

でも、よく考えたらこの制度めちゃくちゃ良い

中学の時、僕はそれなりにサッカーができて自分でも練習をして上手くなる気持ちがあったから試合に出れないという経験はあまりなかったし、高校の時に試合に出られなくて悔しい時も、絶対に上手くなる気持ちがあればなんとかなると思ってやってきました

そして、日本で部活動に所属していて移籍しようもんなら、学校ごと変える必要があります

チームや監督と選手自身のコンセプトが合わなかったらチームを変えることができるのが、このVEREIN制度です
7歳の時からその制度で育つので移籍や変えるという事に対してもしかしたら日本でやっている選手や生徒よりも抵抗が低いかもしれません

上手い選手はどんどん伸びていくし、サッカー楽しみたい選手はそのくらいのレベルの子が集まる場所へ移籍をします
これはドイツも同じ制度ですね

では、この制度だから良いサッカー選手を生むのか?国はサッカーが強いのか?と聞かれたらそれはまた別です
サッカーの文化は圧倒的に日本よりヨーロッパは根付いていますし、人気スポーツです

しかし、W杯と親善試合で日本対ドイツの試合が行われましたが、2回とも日本が勝っちゃてる笑

だから、どっちが良いとかは正直分からないのですが、僕はここにコーチや監督の力が試されるんじゃないかなと思います
全世界中監督、コーチの皆さん、あなたです!

僕はライセンスも持っていなければ、コーチとしての経歴もないですが自分自身が選手に教える立場にいること監督、コーチの素晴らしさはこの価値観の間に立って考えた時に選手にとって大切な職業だということを実感しています

VEREIN制度と部活動、個人的にこの二つのテーマに対して広い価値観を持っていきたいです

なぜなら、部活動制度で中学高校を過ごして、海外サッカー挑戦をしに来ている僕自身が、
現在はVEREIN制度の中で、ステップアップしてプロ契約を勝ち取るという目標があるのだから

ではまた


オーストリア4部リーグの所属チームで戦う北沢智哉選手

最後まで読んでいただきありがとうございます
Instagramなどその他SNSも随時更新していますので是非チェックしてみてください

北沢智哉

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