Vol.6「日本のグラウンドからドイツのフィールドへ—私のサッカー挑戦記」
遠くの地で見つけた自分と、日々の努力から学んだこと
智哉のロッカールーム Vol.6
ドイツのチームメイトから、「家族はドイツにいるのか?」と聞かれたとき、少し驚きました。日本から遠く離れたドイツでサッカーをしている私にとって、家族や友人など、会いたい人に会うことは難しい事です。しかし、ドイツ人にとっては、私が日本から海外に挑戦していることが、何とも不思議に映るのかもしれません。考えてみれば、私もドイツ人が日本の関東リーグやJFLなどに挑戦している話を聞いたことがありません。
実は、ドイツ語がそれなりに話せる私ですが、もし日本に挑戦しているドイツ人選手がいたら、ぜひお知らせください。(友達になれそう)反対に、海外に挑戦する日本人選手は年々増えてきており、私の周りには小学生や中学生のうちから親元を離れ、ヨーロッパを中心にサッカーに挑戦している選手がいます。それぞれがそれぞれの考えを持ち、サッカーに挑戦しているのです。
(写真:得点後の様子)
私が中学生のときに外部コーチから言われた言葉が今も心に残っています。「お前達にとってサッカーとはなんだ?」コーチの選手時代は、高校卒業後にブラジルに渡り、日本でもプロテストを受けた大型FWタイプの選手だったそうです。今でも1月1日はコーチの家でBBQをするほど仲が良く、酔っ払いながらも真剣な眼差しでこの質問をしてくる姿が印象的です。私の同級生の中にはサッカーを続けている人が少なくなり、いつからかコーチの問いかけが「お前達」から「お前」へと変わりました。
「自分にとってサッカーとは何か?」
海外挑戦を通じて、私はこの答えを探し続けています。最近加入したフォルトゥナ・ボンでは、2試合連続でFWでスタメン出場していますが、ゴールはまだありません。そんな中、海外で活躍する日本人選手にアドバイスを求めることもあります。幸い、チームメイトには恵まれており、ゴールを決められないことを笑い話にしながらも、毎練習で得点に向けた調整をしています。
ある日の練習後、ドイツ人の19歳のキーパーに「どこに打てばシュートが取りにくいか?」と質問しました。彼からの的確なアドバイスには驚きました。右足で持っているときはここかここに足を出すから、ここに打て、といった具合です。そんな的確なアドバイスをしてくれる19歳のキーパーは、ドイツ語で言うと、一生のブルーダー(友人)になること間違いなしです。
(写真:フリーキックを誰が蹴るか決めている)
ドイツではサッカーが文化として根付いており、プロもアマもたくさんの試合をこなしています。そんな中で、日本にいる家族や友人からのメッセージがどれほど励みになるかは計り知れません。祖母はLINEを使いこなし、「応援してるから、怪我しないよう頼むょ➰トモ➰ー」と、独特な文字で応援してくれます。笑
祖母が最後に私の試合を見たのは高校サッカー選手権の時でした。
私が祖母の前でプレーするには、いつかJリーグでプレーするしかありません。そのために、今ここで全力を尽くしています。試合情報は、ドイツにはFUPAというアプリがあり、プロからアマチュアまで全ての試合情報を確認できます。試合が始まったら、私のチームを検索していただければ、得点情報などが確認できます。
海外で挑戦する中で大切なことは、自分にとってサッカーとは何かを見つけることです。私にとってサッカーは、自分を表現できるスポーツであり、家族や友人、周りの方々への感謝の気持ちを込めたプレーです。結果が求められる世界で結果を出すのは簡単ではありませんが、好きなことに打ち込める環境があることに感謝し、今日は、ネットが揺れるくらい、ネットを揺らしていきます!
最後まで見ていただきありがとうございました。