Vol.7 環境が変われば、プレーも変わる -ドイツで気づいた新たな視点

ドイツ6部リーグといえど、地域リーグです。
しかし、地元のそこそこ名の知れたクラブに「よくわからない外国人」がやって来れば、チームメイトの視線はこんな感じです。

「こいつは結果を出せるのか?」

2024/25シーズンが始まった8月、私はなかなか得点に絡めずにいました。
試合を重ねるごとにチームに馴染み、得点やアシストを重ねることで、少しずつ「点が取れるFW」として認められるようになりました。

その変化は練習中の対応にも表れてきて、結果を出すことが何よりも重要な世界で、「何かしらの形で表現することが大切」だと改めて実感する日々でした。

シーズンを通して、多くの場所で試合を経験しました。前期シーズンだけで16試合。その半分はアウェイ戦で、7試合は慣れない環境での戦いでした。

今までは、ただの移動。そう思っていたアウェイ戦が、ある日違って見えました。

サッカー選手である前に、挑戦者である

私の挑戦は、ただのサッカー選手としてのものではありません。
SNSをフォローしてくださっている方ならご存じかもしれませんが、私は選手であると同時に、アスリート研究員としても活動しています。

この環境でサッカーができることは、決して当たり前ではありません。
芝生の上でボールを蹴れること、異なる言語の世界で戦えること、それ自体が、挑戦の証です。

「この現状や環境をどう伝えるか?」

そう考えたとき、ふと18歳の頃のことを思い出しました。
当時、漠然と「ドイツってサッカーする環境が整ってるなあ」と思っていたのです。

そして去年、肩の手術をした際、リタジャパン株式会社の協力で酸素ボックスを使わせていただき、回復を早めることができました。そのとき、人工芝についても学ばせていただく機会がありました。

この経験を通じて、サッカー選手としての視点から、人工芝の環境についてもっと深く関わり、発信できるのではないかと考えました。
そこで私は、リタジャパンのドイツブランチの発足を提案し、この秋に始動することができました。

今、選手としてはもちろん、人工芝の専門知識を持つアスリート研究員としても挑戦しています。

怪我がくれた気づき

前期シーズン終盤、私はハムストリングスの肉離れを起こしました。

選手として、怪我をしないことが何よりも重要です。

だからこそ、毎試合・毎練習、一番にグラウンドへ入り、入念に準備していました。それでも、スポーツに怪我はつきものです。

(試合前に若干嫌な予感してたなぁ)

怪我をした時、原因を探りました。
試合前のスプリント、ダッシュ、ストレッチ、筋膜剥がし、腹圧トレーニング、いつも通り行ったはずでした。
しかし、もう一つの視点が見えてきました。

「環境」も、怪我の要因のひとつ。

砂浜で10km走るのと、アスファルトの上で10km走るのでは、使う筋肉も、タイムも違います。同じように、土と芝、天然芝と人工芝でもプレー環境は変わります。

直近の試合を振り返ると、これまでは天然芝のピッチでしたが、寒さの影響や日没の早まりで、人工芝での試合が増えていました。
そして、私がプレーしていた人工芝のピッチは、調べてみると「アスファルトの上に人工芝を敷いただけ」のものだったのです。

「アスファルトに毛が生えた場所で、何本も全力ダッシュしていたら…そりゃ怪我のリスクも上がるよな」

そんなふうに納得してしまいました。

もちろん、怪我をしなければよかったです。しかし、この怪我があったからこそ、私は後期シーズンに向けて新たな視点を持つことができました。プレーの幅を広げ、ケアや準備運動をより大切にする。そして、人工芝の調査や研究していく中で、怪我には接触以外の要因も少なからずあるという事を理解できました。

上を目指し続けるために

私は、上を目指す選手として、成長のスピードを、今までの何倍にも上げていかなければなりません。

プレー環境の違い、怪我との向き合い方、そしてサッカーを通じた挑戦——すべてが自分を成長させるための学びです。

「智哉のロッカールーム」では、これからもその過程を伝えていきます。
読んでくださっているあなたの中に、「北沢智哉を応援したい」と思う気持ちが少しでも生まれたなら、それが何より嬉しいです。

これからも、挑戦は続きます。応援よろしくお願いします。

前期シーズンの様子


最後までご拝読いただきありがとうございました!

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