Vol.1なぜヨーロッパでサッカー挑戦をするのか？海外でサッカーをする魅力と理由

2023年12月20日 2025年10月21日

TOMO

なぜヨーロッパでサッカー挑戦をするのか？

——「海外でサッカーをする魅力とその理由」

ウィーン国立歌劇場。
オーストリアの首都ウィーンは、「世界で最も住みやすい都市ランキング」で堂々の1位に輝く、美しい街です。

白を基調とした歴史的な建造物、美術館や博物館に眠る名画、毎夜響くオペラの旋律、そして名物ザッハトルテ——。
まさに“音楽と芸術の都”と呼ぶにふさわしい場所。

そんなウィーンで、僕はサッカー選手として日々を過ごしています。
ランニングコースには、オペラ座やシュテファン大聖堂。
オフの日はザッハートルテを味わいながら、静かな午後を過ごすこともあります。
（ちなみに、甘党の方にはたまらない味です。）

スペインやドイツと聞くと、誰もが“サッカーの国”を思い浮かべるかもしれません。
でも、オーストリアでプレーしている日本人選手は現在わずか10人ほど。

それでも僕がオーストリアを選んだ理由は、「サッカーが文化として根付いている」からです。

ヨーロッパのサッカーは、国のアイデンティティそのもの。
スペイン、イタリア、ドイツ、イングランド、フランス——。
これらの“ヨーロッパ5大リーグ”は、世界中のサッカー選手が目指す場所です。
僕自身も、2027年にはドイツ2部リーグでプレーするという明確な目標を掲げています。

その一方で、オーストリア・ベルギー・オランダといった国々は「ステップアップリーグ」と呼ばれ、若手選手が夢へと進む登竜門になっています。
南野拓実選手や中村敬斗選手なども、このステップを経て5大リーグへと羽ばたいていきました。

僕が所属していたオーストリア4部リーグでも、週末の試合には200人以上の観客が集まります。
一見少なく思えるかもしれませんが、彼らの目は本気です。
良いプレーをすれば、試合後に声をかけてくれる。
その一つひとつの出会いが、次のチャンスにつながっていきます。

また、オーストリアではまだ日本人選手が少ないため、結果を出せばすぐに注目されます。
「このアジア人は誰だ？」
そう思わせる瞬間をつくるために、僕は日々トレーニングを重ねています。

僕がこの国で挑戦している理由のひとつは、日本とオーストリアをつなぐ存在になりたいという想いです。
音楽や芸術、林業、農業、そしてワインづくり——。
オーストリアには日本と通じる“自然と人の調和”が息づいています。

そんなこの国で、サッカーという共通言語を通じて人々とつながる。
それが僕の目指す形です。

ウィーンの大自然の中をランニングしながら、ふと自分に問いかけます。
「なぜ、海外でサッカーをしているのか？」
その答えはいつも、“挑戦の中”にあります。

これが僕がオーストリアで挑戦を続ける理由であり、ヨーロッパサッカーの魅力のひとつです。

次回、第二話「なぜ大学進学ではなく、海外挑戦なのか？」
18歳で日本を飛び出した日、その決意の裏にあった本音をお話しします。

「哉のロッカールーム」では、ドイツ・オーストリアのリアルなサッカー事情と、僕の挑戦を通して見える“ヨーロッパの今”をお届けします。