Vol.17 留学エージェントは教えてくれない「GWから始める海外挑戦」

※この記事の前提として

最初にはっきりさせておきたいのは、僕はエージェントという存在に対して否定的なわけではありません。むしろ、僕のいるカテゴリーのドイツ5部から4部、あるいは別の国のリーグへステップアップしていくためには、代理人の力は不可欠な「プロの仕事」だと思っています。
ただ、僕のように下部リーグからスタートして上を目指す選手をターゲットにしている人の中には、代理人なのか単なる仲介業者なのかよく分からない人たちが混ざっているのも事実です。
僕自身、今は上のリーグに行くために代理人をつけていますが、その人が本当に僕を上に連れて行ってくれる実力があるのかどうかは、今も冷静に観察している最中です。
だからこそ、これから挑戦する皆さんには「見分ける力」を持ってほしい。そんな想いで、留学会社、または留学エージェントがわざわざ口にすることのないリアルを書きます。
お久しぶりです、北沢智哉です
今、日本の高校3年生は新学期が始まり、ゴールデンウィーク(GW)を迎えています。
高校や大学側もオープンキャンパスなどが始まって進路がはっきりしていく時期かと思います。
そんな中、僕のように海外挑戦を視野に入れている人に伝えたい、留学会社やエージェントが積極的には語らない「3つの真実」をお話しします。
1. 全てのエージェントはあなたの挑戦を「応援」している

なぜなら、お金が発生している以上、それはビジネスであり、あなたは彼らの「お客さん」だからです。
彼らはあなたの背中を全力で押します。
僕は松商学園高等学校出身で、長野県大会はベスト4。全国レベルの選手ではありませんが、ヨーロッパで7年サッカー選手として活動しています。
SNS等で「無名でも挑戦できる」と発信し、サポートをする人はたくさんいますが、現地に行ってみれば「あとは放置」だったり、最悪の場合はお金だけ取られて終わり、なんてパターンも実際にあります。
不安を煽るわけではなく、事実としてこう言ったこともあります。
2. その「高額なサポート」の中身は半分以下

費用は30万〜100万円、それ以上のところもあります。でも現実は、サポート内容に含まれていることの半分もやってくれれば良い方です。
彼らは言ってしまえば「通訳の進化版」です。ビザ、住居、口座、チーム探し。
これらを日本語だけでやるのは不可能なので、その「自分ではできないこと」の対価として大金を払います。
しかし、現地に行けば代理人は別の仕事をしていたり、現地の担当者に丸投げしたり。
むしろ「お金を払ってくれるなら、どんなに無謀な挑戦でも後押しする」のが、彼らのやり方の一面でもあります。
結局、最後は自分一人で動くことになります。
その「代行作業」に100万の価値があるのか、冷静に考える必要があります。
3. 彼らはあなたの「実力」と「その後」に責任は持たない

たとえば僕の住んでいるドイツは、僕たちがが思っている以上にシビアな「学歴・資格社会」です。
現地の若者は10代半ばで「サッカーを職業として生きていけるか」を判断し、無理だとわかればすぐに大学進学など別のキャリアへ自ら切り替えていきます。(でもサッカーは好き)
そんな中、僕のように日本から来て25歳で寿司を握りながら上を目指し続ける姿は、現地のスタンダードからすれば、かなり少数派な存在です。
エージェントはよく「挑戦することに価値がある」と言います。
もちろん、僕も挑戦すること自体には大きな価値があると思っています。
でも、エージェントはその挑戦が失敗した時や、現地のシビアなピッチで通用しなかった時の責任までは取ってくれません。
結果が出ていない選手には寄り添いません。「お金を払っているのに」は彼らからしたら選手の言い訳でしかないのです。
彼らが用意するのは、彼らのコネがあり入りやすいチームであって、あなたのステップアップに本当に繋がる場所とは限らないのです。
7年目の決意:誰に頼るか、誰が決めるか

僕は今月の4月7日で、ヨーロッパに来て丸7年になりました。 オーストリアでのプレー、肩の手術、コロナ。今は寿司屋で働きながら、トレーニングをする毎日です。
18歳の時、僕は自分にとってサッカーとは何かを考え、「学んだ事のないサッカーを新しい環境で学びたい」という意志で大学進学をせず、ドイツに来ることを決めました。
7年経った今、最近だとドイツ3部リーグのプロチームと公式戦で戦い、その差を肌で感じたからこそ言えるのは、「エージェントが提示する夢」ではなく「自分自身の現在地」を直視することが何よりの準備だということです。
GW、キラキラしたオープンキャンパスなどの裏で、もし本気で「外の世界」を学びたいと思っているなら、誰かに大金を払って丸投げする前に、まずは自分でその壁の高さを見に行ってみてください。
北沢智哉
