【高校サッカー選手権】ベスト4で負けた僕から。終わった後に「やり切った」と言える戦いを。

大会を前にして、緊張やプレッシャーを感じている選手も多いと思います。
僕自身、高校時代は松商学園で全国を目指して走っていました。でも、結果は長野県大会のベスト4での敗退でした。
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間は、実は涙すら出ませんでした。「本当に負けたのか?」と、起きた現実が受け入れられず、ただ呆然と立ち尽くしていました。
でも、試合が終わってベンチに戻り、最後に監督から声を掛けられた瞬間、いろんな感情があふれ出して生まれて初めて大声を出して泣きました。そのあとには、心が空っぽになるような虚無感がありました。
それでも、18歳でドイツに渡って7部からスタートし、たくさんの挑戦を重ねて5部でプレーしている今、あの選手権の経験は自分の中で大きな糧になっています。
あの敗戦で感じたこと

一発勝負の選手権では、ほんの少し引きに回ったり、攻め切る姿勢を一瞬でも欠いてしまうと、一気に相手に流れを持っていかれてしまいます。
相手も「この大会に全てを懸ける」という強い覚悟でぶつかってきます。土壇場で押し切られたのは、ピッチ上で最後まで攻め切る姿勢を持ち続ける難しさだったと実感しています。
今の松商学園の勢いと、後輩たちへの期待

母校である松商学園の活躍には、ドイツにいる僕も大きな刺激をもらっています。
最近は野球部の足立監督の指導論などが話題になっていて、学校全体に「勝負に向き合う良い空気」が流れているのを感じます。同じ母校のOBとして本当に誇らしいです。
僕自身、今年の夏に練習に参加させていただいたのですが、本当に良い選手が何人もいるなという印象を受けました。
特に、一緒に自主練習でシュート練習をしたメンバーには思い入れがあります。
あのとき練習した「ゴールの隅に流し込む」感覚、ぜひ本番のピッチでも意識して、大事な場面でネットを揺らしてほしいなと思っています。
この舞台でしか味わえない時間

高校サッカーが終わっても人生やサッカーは続いていきますし、僕自身もドイツで7部からアピールを続けて5部まで上がってきました。
ただ、「高校サッカー」という特別な時間は、間違いなくその大会で終わりを迎えます。
同じ仲間と、同じユニフォームを着て、たくさんの熱量で一つの目標に向かえる日々は本当に貴重なものです。
だからこそ、「今日この90分で全てを出し切る」という気持ちで、目の前のボールや1本のダッシュに向き合ってほしいなと思います。
緊張や不安について

試合前に手が震えたり、プレッシャーを感じたりするのはごく自然なことです。それだけ自分が高校サッカーに真剣に向き合ってきたからこそだと思います。
僕も大事な試合の前は未だにすごく緊張します。でも、「すべては自分のためにやれ」と心の中で唱えます。
チームスポーツだけど、ポジション毎に役割があり一人一人が全力を尽くしてこそチーム。個の力を最大限高めていくしかないのです。
仲間と一緒に戦うということ

選手権は、ピッチに立つ11人だけで戦うものではないと感じています。
「誰も代わりはいない(Jeder ist ersetzbar)」
最近ドイツで知り合った方に聞いたフレーズなのですが、元々は元バイエルン・ミュンヘン(FC Bayern München)のカール=ハインツ・ルンメニゲ氏の言葉で、調べたら、
バイエルンで長年クラブのトップとして実績を残し、自身の退任後について聞かれた際、「絶対的な存在に見えるベッケンバウアーがクラブを去った時でさえ、バイエルンは代わりを見つけて進み続けた。
だから自分も含めて、組織において代わりがいない人間なんて一人もいない」という文脈で語ったものです。
ベンチメンバー、スタンドから応援してくれる部員、そして支えてくれたご家族や監督。いろんな人の思いが重なっています。
ピッチに立つ選手もそうでない選手も、誰かの代わりではなく「今その場所を任された存在」だからこそ、自分にできる最高の行動を行なっていくべきであるのです。
最後に

目の前の試合に集中して、自分たちのサッカーを思い切り表現してきてください。松商学園、応援しています!
